ケールの青汁の特徴と効果

ケールの健康効果

ケールは「野菜の王様」と言われるほど栄養価の高い食品で、青汁の代表的な原料として有名です。
キャベツの仲間ですが、丸いキャベツと違って葉の根元まで太陽光が当たる形をしています。そのため光合成の力で、より多くの栄養分を蓄えているのです。
では、それらの栄養素はどのように働いてくれるのでしょうか。
ケールの具体的な健康効果をご紹介します。

睡眠障害の改善

ストレスによって眠れなくなったり眠りが極度に浅くなる状態を、ストレス性睡眠障害と言います。
十分な睡眠がとれないと、ホルモンバランスの乱れや倦怠感を引き起こす原因になり、日常生活にも支障が出てきてしまいます。
そんなストレス性睡眠障害に効果的なのが、メラトニンという神経ホルモンなのです。
メラトニンは睡眠ホルモンとも呼ばれ、自然な眠気を呼ぶ作用があります。
ケールはメラトニンの含有量が食品の中でもトップレベルで、なんとキャベツの420倍も含んでいるのです。
メラトニンのサプリメントは成分の安全性が疑問視されているため日本では認可されていません。なので、ケールに入っているメラトニンはとても貴重な存在なのです。

骨や歯の強化

ケールは緑黄色野菜の中でもカルシウムが特に多く、牛乳の約2倍のカルシウムを保有しています。
カルシウムが不足すると骨や歯がもろくなり、骨粗しょう症になったり歯がかけたりする可能性があります。成長期のお子さんはもちろん、中高年以降の方も毎日摂って骨粗しょう症を予防しましょう。
同じ緑黄色野菜の中で、ほうれん草にもカルシウムは多く含まれていますが、それと同時にカルシウムの吸収を阻害するシュウ酸という成分も含まれています。しかしケールはシュウ酸をほとんど含まないうえに、骨にカルシウムをとどめる役割をするビタミンKも豊富です。
ケールはカルシウムの量が多いだけではなくその吸収率も高い、とても優秀な野菜なのです。

アンチエイジング効果

ケールはビタミンEを豊富に含んでいます。
ビタミンEは活性酸素の働きを抑える抗酸化作用が強く、活性酸素に傷つけられた細胞を素早く回復させてくれます。そのため、細胞の生まれ変わりが促進され、年齢を重ねても若々しさを保ってくれるのです。

【活性酸素とは?】
体内で栄養をエネルギーに変えるときに「活性酸素」というものが発生します。
これは必要以上に生成されると正常な細胞を酸化させて傷つけてしまいます。活性酸素は大量に発生するとシミやそばかすを作りやすくなるだけではなく、ガンや動脈硬化、白内障などの病気も誘発する恐れがあります。

この活性酸素の働きを抑える物質を抗酸化物質といいます。
私たちの体内にも抗酸化作用をもつ物質はありますが、年齢を重ねるごとに処理能力が衰え始め、活性酸素の働きを抑えきれなくなります。
そのため、食べ物で定期的に抗酸化物質を補う必要があるのです。

美肌効果

ケールのビタミンC含有量はレモンの22倍とかなり多く、青汁の原料の中でも群を抜いています。
ビタミンCは肌に潤いを与えるコラーゲンの生成に大きくかかわっている栄養素です。ビタミンCが不足すると、コラーゲンが生成できなくなり、肌のうるおいがなくなり荒れてしまう原因になります。 さらに、血管も弱くなり、免疫力が落ちる可能性があるのです。
しかしビタミンCの含有量が多い野菜であるケールの青汁を飲むことによって、効率的にコラーゲンの生成ができるようになります。ビタミンCは体内に溜めておけないため、ケールの青汁で定期的に摂取することをお勧めします。
ただしビタミンCは熱に弱いため、青汁は常温の水で飲むようにしましょう。

眼精疲労対策

ベータカロテン

長時間ブルーライトを見ていたり、老眼や乱視の方が無理にピントを合わせようとすると、眼精疲労を引き起こす可能性があります。眼精疲労は一時的な目の疲れに限らず、視力低下や目の痛み、肩こりや気分の低下なども引き起こしてしまうので、早めの予防と対策が必要なのです。
ケールに含まれているベータカロテンという栄養素は、体内でビタミンAと同じ働きをすることから、プロビタミンAと呼ばれます。
プロビタミンAは、目で見た情報を脳に送るロドプシンというたんぱく質の生成を促すので、その元となるベータカロテンは眼精疲労の緩和に効果的なのです。また、皮膚や粘膜を強くして免疫力を強くする効果もあるので、風邪の時にもおすすめです。

ルテイン

ケールに含まれているルテインという栄養素は「天然のサングラス」と称され、ブルーライトや紫外線から目を守る働きがあります。
白内障や黄班変性症などの目の病気も、予防したり進行を抑制してくれるのです。
ルテインは植物しか作り出せない色素成分のひとつで、体内で生成することができません。そのため、食品から補う必要があるのです。
ルテインが不足すると、老眼の発症が早まったり、目の異常を引き起こしやすくなってしまうので、早めの予防が大切です。

便秘改善

ケールは便秘改善に効果的な食物繊維をレタスの3倍以上も含んでいます。
食物繊維は胃で消化されずに腸を刺激することで、排便を促す蠕動(ぜんどう)運動を引き起こしてくれます。また、水分を含んで便をかさ増ししたり柔らかくする働きもあるので、便秘改善には不可欠な存在です。便通がよくなると大腸ガンの予防にもなるので、ぜひ積極的に腸内環境を整えましょう。
食物繊維は便秘解消効果以外にも、体内の余分な脂質を排出してくれたり、血糖値の急上昇を防いでくれるという働きがあるため、糖質の高いお菓子や炭水化物を食べたいときは青汁を一緒に飲むのをおすすめします。

貧血改善

ケールに含まれる葉酸と鉄分は赤血球を作るために必要な成分なので、貧血改善に有効です。特に鉄分の含有量が多く、野菜の中でも含有量が多いと言われているほうれん草の4倍も含んでいます。そのうえ、ケールに豊富に含まれているビタミンCは鉄分の吸収を助けてくれるので、よりいっそう効果が高まります。
鉄分が不足すると疲れやすくなったり眩暈を起こしてしまいます。特に女性は月経や妊娠などで鉄分不足になりやすいので、定期的にケールの青汁を飲んで貧血を予防しましょう。

花粉症の改善

花粉症は日本人の5人に一人がかかっているという国民病です。ケールには花粉症などのアレルギー性疾患に有効な「糖脂質」と「フラボノール配糖体」という成分が含まれており、これらの有効成分を含むケールの青汁は花粉症の症状改善に有効ということが証明されています。

飲みやすくする方法

ケールの青汁は他の原料と比べると独特の苦みがあります。飲みづらいと感じる方は、リンゴジュース、オレンジジュース、牛乳、豆乳などで割ると苦みや青臭さが抑えられ、腹持ちもよくなりますよ。
甘味が足りない場合ははちみつなどビタミンやミネラルが豊富な天然の甘味を加えることで、さらに飲みやすくなります。もちろん糖分の摂りすぎはよくないので、ある程度味に慣れてきたら徐々に甘味料を少なくしていきましょう。自分が一番おいしいと感じる飲み方を探すのも楽しいですね。

ケールの青汁を飲むにあたっての注意点

持病がある人の場合

ケールはビタミンKを多く含んでいるため、甲状腺機能低下症でワーファリンという薬を服用している方は、効き目が悪くなる可能性があります。
また、強心薬や骨粗しょう症治療薬などでも飲み合わせが悪い薬があるため、持病がある方は必ず事前に担当のお医者様と相談しましょう。

サプリメントも飲んでいる人の場合

サプリメントと青汁の併用は基本的には問題ありませんが、ケールに豊富に含まれている栄養素のサプリメントを定期的に摂取する場合、過剰摂取になる可能性があります。
乳酸菌やビタミンDなどは、青汁に含まれる食物繊維やカルシウムと相性がいいのでおすすめです。
ただし、青汁は薬ではなく健康食品なので、一度に大量に飲むことがなければ、基本的には誰でも飲める食品です。

まとめ

ケールはとても栄養豊富で、特にメラトニンとカルシウムの含有量がとても高いです。
野菜の中でもトップレベルに栄養が豊富なので、手軽に摂れる青汁を飲み続けて、健康的な生活を送りましょう。