明日葉の青汁の特徴と効果

明日葉とは

明日葉は、「若い芽を摘んでも明日にはもう新しい芽が出る」と言われるほどたくましく生命力の強い野菜です。東京の紀伊半島や伊豆七島が原産地で、地元の人の健康を維持する大切な野菜なのです。古くは不老長寿の秘薬とされるほど栄養価が高く、薬草としても重用されています。
ケールよりは飲みやすいので、初めて青汁を飲もうと思っている方にお勧めです。

高い栄養価

明日葉にはさまざまな栄養素がバランスよく豊富に含まれています。身体に必要な栄養素をまんべんなく摂れるので、野菜不足の解消にうってつけです。
では、具体的にどのような栄養素が含まれているのでしょうか。その一部をご紹介します。

ビタミンB2

明日葉にはビタミンが豊富に含まれていて、特に多いのがビタミンB2です。
ビタミンB2は皮ふや粘膜の環境を整えたり、糖質や脂質、たんぱく質などの栄養素を体内でエネルギーに変えるのを助ける働きをしています。不足すると発育や成長が阻害されたり、皮ふや粘膜に炎症がおこりやすくなってしまうので、定期的に摂取しましょう。
一度にまとめて多く摂っても余分なビタミンB2は尿として排出されるので、少量を複数回に分けて摂取したほうが吸収率は良くなります。

カルコン

明日葉の葉や茎を折ると黄色い汁がにじみ出てきます。明日葉の特徴ともいえるその汁はカルコンというポリフェノールの一種なのです。カルコンは身体にとって良い作用がたくさんあることから「黄金のポリフェノール」とも呼ばれています。

【カルコンの作用】

  • 脂肪燃焼作用
  • 抗酸化作用
  • 抗菌作用
  • むくみ・セルライト解消作用(利尿作用)
  • デトックス作用(老廃物の除去)
  • 代謝促進

カルコンは熱に強いので、ホットの青汁にしたり、料理に混ぜてもほとんど失われません。飲み方の幅が広がるのも強みのひとつです。(ただしビタミン群の中には熱で壊れやすいものもあるので、ビタミンの摂取が目的の方は常温か冷水で飲むことをお勧めします。)

クマリン

クマリンとはセリ科の植物が持つポリフェノールの一種で、悪い細菌の増殖を防いだり、死滅させる力があります。また、クマリンは老廃物の除去や血液をサラサラにしてくれるため、血行改善に高い効果があります。血行がよくなると体の末梢神経まで血液がいきわたるので、冷えや肩こりなどの改善にも繋がりますよ。

ベータカロテン

明日葉がもつベータカロテンという栄養素は、体内でビタミンAが足りなくなったときにプロビタミンAという栄養素に変換されます。
プロビタミンAはビタミンAと同じ働きをし、身体の発育促進や肌の健康維持、免疫力の強化など、さまざまな効果があります。
また、目で見た情報を脳に送るロドプシンというたんぱく質の生成を助けるので、眼精疲労の解消や視力低下を食い止める作用もあります。

カリウム

普段の食生活で塩分を多く摂っていると、体内の水分と結びついて排出が促されず、むくんだ状態になってしまいます。しかし明日葉に含まれるカリウムは塩分の排せつを促す効果があるので、むくみを改善してくれるのです。カルコンとクマリンもむくみ改善の効果があるので、より効果が高まります。

リン

リンは体内でカルシウムの次に多く含まれている栄養素です。骨や歯、筋肉や脳など、さまざまな組織を構成する大切な成分で、エネルギーを作り出すときに必要不可欠な存在です。明日葉はネギの3倍以上のリンを含んでおり、身体づくりにとても役立ちます。

食物繊維

食物繊維は大きく分けて水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類あり、どちらもバランスよく摂取することが理想です。
水溶性食物繊維は腸内細菌の餌となることで腸内環境を整えてくれる食物繊維です。糖の吸収を緩やかにして血糖値の急上昇を抑えてくれたり、余分なコレステロールを排出してくれます。
不溶性食物繊維は水分を含んで大きくなることで腸を刺激し、便通を促進してくれます。
明日葉は水溶性食物繊維と不溶性食物繊維のどちらもバランスよく含んでいるので、便秘解消に有効なのです。

【食物繊維はミネラルを阻害する?】
多くの食物繊維は、糖や脂質の吸収を抑制すると同時に、鉄分や亜鉛などのミネラルの吸収も妨げてしまいます。影響を受けるミネラルの量はごく微量なので、そこまで神経質になる必要はありませんが、気になるという方は難消化デキストリンという食物繊維が含まれている商品を選ぶことをお勧めします。
明日葉を青汁に加工する過程で食物繊維が失われてしまった場合には、難消化デキストリンという、でんぷんから作られた水溶性食物繊維を混ぜることがあります。
難消化デキストリンはミネラルの吸収を阻害しないので、もしもミネラルのサプリメントと一緒に飲む場合は栄養表示の欄に難消化デキストリンが含まれているものを選ぶといいでしょう。